そのまま手を引かれ、やんわりと抱きしめられる。
「お疲れ、コハル」
「……っ!」
そうして頭を撫でられて、ぼっと顔が熱くなった。
――特に、リューの優しさはくすぐったいほどで。
頭を撫でられるのなんていつぶりだろう。
なんだかやたらと気恥ずかしくて、私はお返しとばかりに手を伸ばし彼の頭をわしゃわしゃと撫でた。
「リューもお疲れ様です!」
照れ隠しに笑顔で言う。
すると彼は驚いたように私を見て、それからスっと真顔になった。
(あ、あれ?)
流石に失礼だったろうか。
その反応に不安になっていると。
「……コハル、あまりこういうことをするな」
「ご、ごめんなさい!」
「抑えがきかなくなると言っただろう」
「え……っ!」
いきなり身体を反転させられ、気付けば金の瞳に間近に見下ろされていた。
そしてキスが降ってくる。
「ん……っ」
全身が強張る。
最初啄むようだったそれは、徐々に深くなっていく。
軽く唇を舐められて、私はおずおずと口を開いた。
すると彼はこちらの反応を確かめるように、ゆっくりと中に入ってきた。
舌を絡め取られて、その生々しい感触にぞくぞくと震えが走る。
気付いたら呼吸も忘れて彼のシャツを強く握り締めていた。



