でも、これまで極力自分のことは自分でなんとかしてきたからか、やっぱり慣れないというか、どうしても恐縮してしまう。
確かにこのお城で私がなんでも一人でやってしまったら彼女たちの仕事を奪うことになってしまうのかもしれないけれど……。
「……じゃあ、その、もう少し友達みたいに接してもらえたら嬉しいかも……なんて」
思い切ってそんなお願いをしてみる。
……私がこの世界で友達と呼べる相手はティーアとメリーくらいで。
出来ればこの国にも、なんでも話せる友達がいたらいいなぁと思ったのだ。
ちなみに、今メリーは私たちから少し離れたソファの端っこに身を潜め、こちらの様子をじっと伺っている。実はあれでかなりの人見知りなのだ。
と、栗毛の彼女は少しぽかんとした顔をした後で小さく笑った。
「コハル様がお望みでしたら」
「! 是非、お願いしたいです!」
私は嬉しくて思わずパンと手を合わせていた。



