顔を上げると彼は自分の治める国を眩しそうに見つめていた。
そしてこちらを振り向きニっと笑った。
「勿論、一番に歓迎しているのはこの俺だがな」
「あ、ありがとうございます」
「さて、行くか。今日は忙しくなるぞ。詳しくは朝食の折にセレストから説明があると思うが」
「?」
私が首を傾げていると、彼は教えてくれた。
「おそらく今日から多くの者が祝いに訪れるだろうからな。それに式の準備も進めなければ」
「!」
(そうだ。リューと私の結婚式……!)
「えっと、ちなみに、式はいつ頃……?」
「早いに越したことはないが。まぁ、竜帝とこの世界を救った聖女の結婚式だからな。各国の要人を迎えて派手にやりたい。これから使者を送るなどして、一月後とかか?」
予想以上に規模の大きな式になるみたいで、私はごくりと喉を鳴らしていた。
「大丈夫だ。コハルは俺の隣で笑っていてくれればいい」
私の緊張が伝わってしまったのだろう、リューは安心させるようにそう言ってくれた。



