再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。


「ん~~?」

 私の身じろぎが伝わったのか、眉間に皴を寄せたリューが私を更に強く抱きしめてきた。

「ちょっ……リュー! 起きてください!」

 声をかけると、寝ぼけ眼がこちらを見た。

「コハル……?」
「お、おはようございます。あの、メリーが起きたみたいなので離して欲しいんですが」
「まだ早い……もう少しこのまま……」

 そしてリューは再び目を閉じてしまって慌てる。

「リュー! そうじゃなくて、離してください~っ!」

 背中に回った腕を解こうにもびくともしなくて困っていると。

「コハルさま~こちらですか~!?」

 バンっという大きな音とともに、メリーが内扉を開け寝室に飛び込んできた。

「メリー!」

 メリーは私の姿を見ると一瞬雷に撃たれたみたいにその身体を硬直させてから、わなわなと震えだした。

「なんだ……煩い……」

 流石にリューももう一度目を開けた。そして。

「こ~~っの、ド変態竜人族がああああーーっ!!」

 メリーは物凄いスピードでこちらに突っ込んできてリューの顔面にボフンっとぶつかった。

「ぅぶっ!?」
「コハルさまをっ! コハルさまをっ! 離せこのド変態野郎ーーーー!!」
「やめっ、おま、誰がド変態だ、ぶほっ」