「ちょっと、耳を貸してください」
「なんだ?」
身を屈めてくれた彼の耳元で私は告白する。
今一番、彼に伝えたいこと。
「私、お腹に赤ちゃんがいるみたいです」
「!?」
その金の瞳が笑ってしまうくらい真ん円になって、はじかれたように私の顔を見下ろした。
「リュー、お父さんになるんですよ」
「~~っ!」
その顔がみるみる真っ赤に染まっていく。その金の目がみるみる潤んでいく。
そんな彼をこんな間近で見れることに、幸せを感じた。
「竜人族、ひとり増えますね」
「コハル!」
「きゃっ!」
勢いよく抱きしめられてびっくりする。
「ありがとう! ありがとう、コハルっ!」
涙声で言われて、彼の喜びが伝わってきて、私も目頭が熱くなった。
その背中に手を回して頷く。
「はい。リュー、これから一緒に頑張りましょうね」
「あぁ! ――よし、今すぐに竜の帝国へ帰り皆に報告するぞ!」
「えぇっ!?」
彼はさっさと私を横抱きにすると、背中に生えた翼をはためかせ空高く飛びあがった。



