再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。



「はぁ〜生き返る〜この国は暑すぎんだよ〜~」

 オアシスに降りるなり速攻で靴を脱いで泉に足をつけたブランカが気持ちの良さそうな声を上げた。ティーアもその隣で泉に両手をつけている。
 そこはこれまでで一番小さなオアシスだった。それでも泉の周りには緑が生い茂っていて、メリーが嬉しそうに咲いていたお花を食んでいた。
 そんな平和な風景を見て、漸く終わったんだと実感がわいてくる。

「竜帝陛下」

 その硬い声を聞いて振り返ると、人の姿に戻ったリューの前にローサが跪いていた。

「竜騎士ローサ、砂漠の王宮での件いかなる処分も受け入れる覚悟でおります」
「ローサ!?」

 私は慌てる。
 あのとき私はローサのせいではないとはっきり言ったのに、まだ彼女は気にしていたのだ。
 でも、リューは首を横に振った。

「いや、俺が不在の間よくコハルを守ってくれた。流石は俺が認めた竜騎士だ。これからもコハルをよろしく頼む」

 そうして彼はローサに優しい笑顔を向けた。
 ローサはそれを見ると顔をくしゃりと歪め、深く深く頭を下げた。