再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。


 酷く久しぶりな気がする外の世界は綺麗なオレンジ色に染まっていた。
 この瞬間の『砂漠の国』は、やっぱり特別だと思った。
 その中を、リューが悠々と翼をはためかせ飛んでいる。

「どこまで行く?」

 隣に飛んできたカネラ王子から訊かれて私は考える。

「えーと、とりあえず、どこか誰もいないオアシスに」

 この姿のリューを見たら人々は皆驚いてしまうだろうから。

「了解。案内するよ」

 そして彼は大きく翼を動かしリューの前方へと飛んでいった。

「いいじゃんかアイツ。カネラ、だっけ? 早くあのおっさん引退すりゃいいのにな」
「ブランカってば……」

 そんな会話をしている女王ふたりに私はずっと気になっていたことを訊く。

「なんでティーアとブランカはここに来てくれたの?」

 するとふたりは顔を見合わせにっこりと笑った。