再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。


 私は魔王の言葉を思い出しながら言う。

「魔と聖の力が合わさると〜とかなんとか言ってたけど……え?」

 そのとき、パラパラと天井から砂礫が落ちてきていることに気付く。
 皆もそれに気付いたようで天井を見上げていて。

「一先ず、早くここから脱出したほうが良さそうだね」

 エルが宙に浮きながら言ったそのとき、大きな鍾乳石がひとつ彼らのすぐ近くに落下した。

「まさか、崩れるってのかい!?」
「みんなこっち!」

 空を飛べないティーアとブランカ、ローサが焦ったようにこちらに駆け寄ってきてリューの手のひらに乗った。
 それを確認するとリューは私たちを守るように優しく手を握り、翼をばさりと広げ崩れゆく鍾乳洞の中を飛んだ。
 エルとカネラ王子がリューを誘導するように前を飛んでいて。
 頭上に竜の洞の入口を見つけると、リューはその光に向かって一気に上昇した。

 そうして、私たちは間一髪、竜の洞から脱出したのだった。