再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。



 ふぅ、と最初に息を吐いたのは、誰だったか。

「これでしばらくは安心かな」
「はぁ、疲れたぁ~」

 エルがにこやかに言い、カネラ王子がその場にへなへなと腰を下ろした。

「コハルさま~~っ!」
「メリー!」

 いつの間にか可愛い姿に戻っていたメリーが私の胸の中に飛び込んできた。

「お身体は大丈夫なのですか? 癒してさしあげますか?」
「あれ、そういえば……」

 聖女の力を使ったのになんともない。いつもなら確実に気絶しているところなのに。
 リューの手の中で私が首を傾げていると。

「コハルが聖女の力に耐えられるようになったということよ」

 こちらを見上げ教えてくれたのはティーアだ。

「でもなんでアイツ、あんなに聖女に固執してんだ?」

 ブランカが腕を組み眉をひそめた。