再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

 ――と、そのとき私は誰かに腕を掴まれ、そのまま風に吹かれるように宙を飛んだ。

「コハルさま! メリーがお手伝いするのです!」
「メリー!」

 人の姿をしたメリーが私の片腕をしっかりと握りリューの背後へと旋回していく。
 ギョロリとした赤い眼がそんな私たちを追いかけてくる。

「メリー、私を鼻の上に下ろして」

 リューの鼻先を指差して言うと、メリーはぎょっとした顔をした。

「え!? でも」
「お願いメリー!」
「わ、わかったのです!」

 メリーは再びこちらに炎を吐こうと大きく口を開けたリューの頭上までぐんと上昇してから叫んだ。

「降ろしますー!」
「ありがとうメリー!」

 メリーの手が離れ、私はなんとかリューの鼻先に着地することに成功した。
 リューが苛ついたような唸り声を上げてブンブンと頭を振るう。
 私は振り落とされないように近くの鱗を掴みながら、寄り添うように赤い両目の間に額をくっつけた。