『 花の女王!? なぜ貴様まで……! 』
「7年前、コハルがあなたを封印してくれてから、私たちが何もしていなかったと思う?」
悔し気な魔王に向かって、ティーアは凛とした声で続ける。
「花の王国ではね、この7年の間、あなたの魔力に対抗出来得る魔法石を生成していたの。妖精の国にも協力してもらってね。7年前はあなたに近づくことが出来なくてコハルに任せっきりになってしまったから、もし次があったら今度は私たちも力になれるように」
そして、ティーアが私に優しい微笑みをくれた。
「だから、今回は私たちも一緒に戦うわ。コハル」
「ティーア……っ」
涙で、久しぶりに会う友人の顔が良く見えない。
と、その後ろからもうひとり、背の高い人物が姿を現した。
「おっと、アタシもいるからね。忘れないでおくれよ!」
『 氷の女王!? 』
「ブランカ!?」
「久しぶりだねぇ、コハル!」
バチンっとウインクをしたカッコいい女性は、『氷の国』の女王、ブランカだ。
ナイスバディを惜しみなく魅せた衣装。豪胆な態度と喋り口調も相変わらずだ。
7年前、私の中の『氷の女王』のイメージを良い意味で壊してくれた女性。
その彼女が、なぜここに。
そんな私の驚きが伝わったのだろう。ブランカはにかっと笑って続けた。
「説明は後だ、コハル。さっさとそこの醜い魔物を封印しちゃうよ!」
「コハルさま、立てますか?」
人の姿をしたメリーが私を支えてくれて、私はゆっくりと立ち上がる。
癒しの力のお蔭で痛みもなく、両脚でしっかりと立った私は皆に笑顔で言った。
「ありがとう、みんな!」



