それからカネラ王子は港街でラクダによく似た動物を調達してくれて、私たちはいよいよ砂漠に足を踏み入れることになった。 「砂嵐に遭わなければ夕刻には着くから」 「夕刻……」 「日が沈むと今度は凍えるほどに寒くなるから、砂嵐が来ないように祈ってて」 そんなまるで他人事のようなカネラ王子の言葉にリューとメリーの顔が思いっきり嫌そうに歪んで、それが妙によく似ていたものだから私は思わず吹き出しそうになってしまった。