「王宮に行けば少しは涼しくなるよ。はい、これ」

 そう言ってカネラ王子が差し出してくれたのはカラフルな大判のスカーフだった。

「日よけと、砂よけにもなるから使って。多分、人数分あると思うけど」
「ありがとうございます」

 ローサがそれを受け取って私たちに配ってくれた。

(そうそう、前にもこれを借りたんだった)

 7年前にもこのスカーフを頭に巻いて砂漠を移動したことを思い出しながら、私は淡いブルーのものを選んで早速頭に巻きつけた。
 薄手で軽くて風通しが良く、でもしっかり日よけになる優れモノだ。
 メリーは翼が使えなくなってしまうこともあり最初嫌がったけれど、毛の中が砂だらけになっちゃうよと言うと渋々了承してくれた。

「うん、メリー似合ってる!」
「そうですか?」

 ピンク色のスカーフを可愛く巻いてあげると、メリーは満更でもない顔をした。
 ちなみにローサは赤、リューは黄、カネラ王子は紫色のスカーフを選んでいた。