すると部屋に入ってきたメイドさんが水を持ってきてくれた。
有難く受け取って、すぐに飲み干す。
冷たい水が胃に落ちていくのがわかった。
はぁと息を吐いて、私はお礼を言う。
「ありがとう。それで、えっと、今ってどういう状況? ……あの彼は?」
訊くと、ティーアは苦笑しながら説明してくれた。
「今朝、コハルを召喚しようとしたんだけど、魔法石の反応がなくて」
「あ……そう、実は色々あって、あの魔法石壊れちゃって……」
「そうだったのね。私はコハルが召喚を拒否したのだと思って、仕方ない、そう思っていたら彼が現れてね……」
彼は自分の膨大な魔力を使い、自ら私の世界に飛び、そして私を連れてこちらに戻ってきたのだそう。
皆、彼の規格外の魔力に驚いたそうだ。
「でもコハルは抱えられているし、泣いているし、そのまま気を失ってしまったでしょう?」
「うっ」
小さく呻く。
……やっぱりあれは夢ではなかったのだ。
ティーアや皆の前であんな醜態を晒してしまった。
何より彼に対し、酔いに任せて失礼なことをたくさん言ってしまった気がする。
「彼に、一体何をされたの?」
「え?」
ティーアが少し怒ったような真剣な顔をしていた。
「もし、彼に無理やりこちらに連れてこられたのだとしたら、私はコハルの友人として彼を許さないわ」
「メリーもです! あんな竜人族に無遠慮に触れられてさぞ気分が悪かったでしょう! お察しいたします~~」



