「それで、これは一体どういうことなんですか!」

 『砂漠の国』の船はなんとか陽が落ちる前に『竜の国』の港を出航。
 小さな窓のある薄暗い船室に案内された私は、リューと二人きりになってすぐに彼を問い詰めた。
 ローサがこの部屋の前で見張りをしてくれているので聞こえてしまわぬよう出来るだけ抑えた声で。
 カネラ王子は私たちをこの部屋に案内すると「じゃ、ゆっくりしてね~」と手を振りどこかへ行ってしまった。
 彼には別の部屋がちゃんと用意されているのだろう。

 と、リューはきょとんとした顔で私を見上げ答えた。

「だから、俺もコハルと一緒に砂漠の国へ」
「そうじゃなくて! ……や、それもそうなんですが、なんで身体が小さくなってるんですか!」

 とりあえず一番気になっていたことを口にする。

「ま、まさか、それが本来の姿とか言わないですよね!?」

 そう、先ほどそんな疑念が頭を過り私はひとり青ざめた。

(もしそうだとしたら、なんか色々とマズイ気がする……!)

「あぁ、これか。俺も初の試みだったんだが、翼を出すのと同じ要領で魔力を調節したら出来てな」

 なんでもないことのように言われて軽く眩暈がした。
 でも初の試みだったということは、やはり本来の姿は大人の方のリューなのだろう。
 そこはホっとする。