「だからメリー、一緒に来てくれる?」
「モチロンなのです!」

 翌朝メリーに事情を話すとそう被せ気味に快諾してくれてホッとする。
 そしてメリーは鼻息荒く続けた。

「7年前お供出来なかった分、このメリー命を懸けてコハルさまをお守りいたします!」
「や、命までかけなくていいから」

 苦笑する。
 ――そう、7年前私の旅にメリーはついて来なかった。
 魔物の存在自体妖精には毒のようなものらしく、魔物にいつ襲われるかわからない私の旅にはついて来れなかったのだ。
 そして比較的安全だった花の王国でいつも私の帰りを待っていてくれた。
 メリーはそのことをずっと悔しがっていて……。

「そういえばメリー、魔族は平気なの?」

 今回の旅はおそらく魔族の調査になる。
 魔族の人たちと直接会うことも、最悪衝突することもあるかもしれない。
 魔物の存在が毒になるというメリー。魔物と人間の混血だという魔族は大丈夫なのだろうか。

「あの竜人族が平気なのできっと平気なのです!」
「きっと、って……」
「平気なのですっ! だからメリーも連れて行ってくださいコハルさま!」