「あ~、えっと、私もびっくりしたんですが、また召喚されてそういうことに……って、あの、あまり時間がないので本題に入らせてください!」
慌てて表情を引き締める。
そんな浮ついた話がしたくてこの場を設けてもらったわけじゃない。
「本題、ねぇ」
と、カネラ王子が億劫そうに身体を起こした。
「それで、聖女サマはやっぱうちの国には来てくれないんですか?」
「……やっぱり、私を呼ぶためにカネラ王子はここに来たんですか?」
訊くと彼はこくりと頷いた。
「そ。魔族の情報が入って、丁度同じ頃聖女サマがこっちの世界に戻って来たらしいって話が入って来たもんだから。……まぁ、ぶっちゃけ言うとさ、竜騎士団よりも聖女サマに来て欲しいんだよね」
「……」
やっぱりと思った。
多分、リューもそのことに気付いているのだろう。
「それで、君と面識のあるこの俺に白羽の矢が立ったってわけ。だから、君が来てくれたら俺の顔も立つんだけどなぁ」
「……私、」
「まぁ、個人的に君にまた会いたかったっていうのもあるんだけどね」
眠たそうな目にじっと見つめられて、自分の口から小さな声が漏れていた。
「え?」