「リューに竜の血が流れていることは知ってましたし、今更『魔族』だと言われても別に恐ろしいとは思いません。リューはリューです」
その金の眼が見開かれる。
「そもそも、私にとったらこの世界の人たちは皆『異世界人』ですし、逆に言えばリューが異世界人である私を受け入れてくれたことの方が未だ驚きです」
するとリューはもう一度笑った。今度は本当に可笑しそうに。
「そうか、そうだったな」
その笑顔を見て内心ほっとする。
……先ほどの笑みはなんだかちょっと、傷ついているように見えたから。
ぽん、とリューは私の肩に両手を置いた。
「ところでコハル、あの第三王子とは昔どんな関係だったんだ?」
「え゛っ」
また全く質の違う、圧のある笑顔で見下ろされ思わず変な声が出てしまった。
先ほども一瞬マズイと思ったけれど、その後の真面目な話題で有耶無耶になったものと思っていた。