「しかし、気になるな……」
「え?」

 涙も止まり落ち着いた私を優しくベッドに横たわらせて、リューが言った。

「聖殿を破壊したという何者かだ」
「……はい」

 リューではなかったことに安堵はしたけれど、根本的なところは何も解決していない。

「花の女王からの手紙には、他に何か書かれていたか?」
「こんなことになってしまってごめんなさいという謝罪と、嫌な予感がするから気をつけてと。あと、また何かわかったら手紙をくれると書いてありました」

 するとリューは眉間に皴を寄せ口元に手を当てた。

「嫌な予感か……確かにな。コハルの考えた通り、コハルの力を欲する何者かの仕業か」

 ドキリとする。
 私を、聖女の力を欲する何者か……やはりそうなのだろうか。

「単純に、花の王国への攻撃という可能性もあるが」
「!」
「だがそれならば、こちらに何らかの情報が入ってきてもおかしくない……」