再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。

「な、何言ってるんですか!」

 慌ててその身体を押しやると、リューはふてくされた顔をした。

「コハルが嬉しいことを言うからだ」
「知りませんよ! もう……」

 そういうことを言われるとまたすぐに昨夜のことを思い出してしまうから勘弁して欲しい。
 今日もこの後は何かと予定が詰まっている。気を引き締めていかなくてはならないのだ。
 赤くなってしまった顔を見られたくなくて足を速めると、すぐ後ろから溜息が聞こえてきた。

「俺が教えられたらいいんだけどな」
「え?」
「知識の量でも教え方においても、あいつが適任だ」

 それを聞いて、もしかしてと首を傾げる。

「リューもセレストさんから何か教わってたんですか?」
「あいつは俺の教育係でもあったからな。今でも教わることは多い。……だがコハル、あいつは厳しいぞ」

 苦虫を噛み潰したような顔で言われて、こちらの顔も思わず引きつってしまった。