「コハル様、妖精王様はどんなお方なのですか!?」
「え?」

 朝の支度の最中、そう思い切るように訊ねてきたのはアマリーだ。

「これ、アマリー」

 背後でドレスの着付けを手伝ってくれていたローサがそんな彼女を窘めるように止めて苦笑する。

「申し訳ありません、コハル様。昨日突然妖精王様がお見えになったものですから」
「ですがローサさん、あの妖精王様ですよ! そのお姿を目にしただけで幸せになれるっていう。どういうお方なのかわたし気になって気になって!」

 見れば、他の子たちも皆そわそわと私の答えを待っているようで。

(そういえば、メリーも昨日かなりのレアキャラだって言ってたっけ)

 突然来てすぐに帰ってしまったから昨日彼を見た者は少ないのかもしれない。
 それにしても、その姿を見るだけで幸せになれるなんて、本人は知っているのだろうか。
 ちょっと笑いそうになってしまいながら答えていく。

「銀の髪で翡翠色の瞳をした綺麗な人だよ」
「それにとってもステキに笑うお方なのです!」