「それで、その、リューにも私の方からお願いしたの。だから、無理やりとかじゃなくて、ちゃんとお互い合意の上、というか……」

 流石に恥ずかしくなって小さな声でぼそぼそと話していくと、メリーが目を丸くした。

「コハルさまは、あの竜人族のことがお好きということですか?」
「えっ」

 改めてそう訊かれて、顔が熱くなっていく。
 でも、私はしっかりと頷いた。
 するとメリーは更にその瞳を大きくして。

「だから、ちゃんとした竜帝妃になれるように私これから頑張るから、メリーにはそれを見守っていて欲しい」
「コハルさま……」

 思い切って言ってみたけれど、まだ戸惑っている様子のメリーを見て少し不安になる。

「それとも、メリーはこんな私はもう嫌?」

 するとメリーはぶんぶんと頭を振って私に飛びついてきた。

「そんなことないのです! メリーはコハルさまが竜帝妃になってもずっとずっとお傍にいたいのです!」

 私はそんなメリーをひしと抱きしめる。

「ありがとう、メリー」

 ――良かった。
 ずっと私を慕ってくれているメリーに竜帝妃になることで嫌われてしまったらどうしようかと思った。
 ほっとしてそのもこもこな毛を優しく撫でていると。

「――はっ、そうだ! コハルさまお身体は平気ですか!?」
「え?」
「はじめては身体に大きな負担がかかるとメリー聞いたことがあります! 癒して差し上げますか!?」
「だ、大丈夫! ありがとうメリー」

 こんなことでメリーの癒しの魔法を使うなんて酷く居たたまれないというか申し訳ない気がして、私はまた赤くなっているだろう顔で苦笑したのだった。