この世界に再び戻って来て、4度目の朝。
 迷いが晴れたからかすっきりと目覚めた私は、リューの寝顔を見つめながら少しの優越感に浸っていた。
 昨日は起き掛けの姿を見られて恥ずかしい思いをしたけれど、今日は髪はすでに手櫛で軽く整えたし、いつ彼が起きても余裕なのである。

 でもリューは今日に限ってなかなか目を覚まさない。
 竜帝妃になる覚悟を決めた今、早速やっておきたいことが色々とある。

(リューにお願いしたいこともあるんだけどな)

 私は仕方なく彼を起こすことにした。

「リュー」
「……」
「リュー、起きてください。朝ですよ」
「ん~~」

 彼が眉をいっぱいに寄せて、ゆっくりとその金の目が開いていく。

「コハル……?」
「おはようございます、リュー。ふふ、寝癖が酷いことになってますよ」

 まだ寝ぼけてる様子の彼を見下ろして、昨日の仕返しとばかりに言ってみる。――でも。
 
「わっ!」

 いつの間にか背中に回っていた腕にがっちりと捕まってしまった。

「おはよう、コハル」
「っ!?」

 綺麗に微笑まれて、更には下からちゅっと啄むようなキスをされて頭が爆発しそうになる。