彼と初めて肌を重ねて、その熱さに驚いた。

「コハル……」

 確認するように名前を呼ばれて、私は初めて自分から彼にキスをした。
 金の瞳が見開かれて、その顔に暗がりでもわかるほどに赤みがさして、そんな反応がどうしようもなく可愛く思えて。

 ――あぁ、そうか。
 きっとこれが、“愛おしい”ということなのだろうと気付いた。

「コハル……」
「……っ」

 何度も呼ばれて、何度もキスをされて、彼の吐息と自分の高い声が引っ切り無しに耳に響いて、熱に浮かされたように頭がくらくらした。


 ――気が付けば、私は再び彼の腕に抱かれていて。

「ありがとう、コハル」

 リューが今にも泣きそうな顔で言うものだから、つい笑みがこぼれた。

「リュー、折角の良い顔が台無しです」
「……っ、仕方ないだろう、嬉しいんだ」
「私も嬉しいです。ありがとうございます、リュー」

 そうして微笑むと、リューはまたくしゃりと顔を歪めてそれを隠すように私を抱きしめた。