――なら、リューじゃなくても、誰でも良かった……?


 自分に問う。

(……違う)

 リューだったから。

 7年前、命を懸けて一緒に戦って、痛みも喜びも一緒に分かち合ったリューだったから。
 我儘なところも、勇敢なところも、可愛いところも全部知っているリューだったから。

 そんなリューが私を必要としてくれて、愛してくれたから。


 だから私は、再びこの異世界に戻ってきたのだ。


 ――なのに。

「なんですか、ちょっと他の人と話したくらいで。私がそんなに信用できませんか!」
「コハル、」

 リューが出窓から下りて、こちらへやって来る。

「私は、自慢じゃないですがリューが全部初めてなんですよ。キスも、誰かと一緒のベッドで寝るのも、こんな気持ちになるのも全部!」

 恥を捨てて大声で捲し立てる。

「それに、リューがあの頃と変わらず子供っぽいのなんて最初から知ってます!」
「ぐっ……」

 小さな呻き声が聞こえた。