再びの異世界、可愛かった皇子様が俺様竜帝陛下になってめちゃくちゃ溺愛してきます。


「コハルさま?」

 先ほどまで部屋でお花を食んでいたメリーがこちらに飛んできた。

「どうかしましたか?」
「ううん。……あ、そうだ。メリーは本当にここに来て良かったの?」

 そう訊くと、メリーは首を傾げた。

「どういうことですか?」
「メリーにとっては花の国の方が過ごしやすいでしょう? もし帰りたかったら」
「メリーはコハルさまのお傍が良いのです!」

 まだ話している途中でメリーは勢いよく私の胸に飛び込んできた。

「それとも、コハルさまはメリーに傍にいて欲しくないのですか?」

 うるうると涙目で見上げられて私はぶんぶんと首を振る。

「そんなことないよ! メリーが一緒に来てくれてすごく嬉しかったし」
「それなら良かったのです~! これからもコハルさまのお傍にいさせてください」

 にこ~っと笑ったメリーを私はぎゅううっと抱きしめた。
 ああもうなんて可愛いのだろう!

「こちらこそ! メリー大好き!」
「メリーもコハルさまが大好きなのです~! あの竜人族はムカつきますが、コハルさまをこの世界に喚び戻してくれたことだけはほんのちょみっとだけ感謝してやってもいいのです。絶対に言いませんけど」

 続けてそんなことを言ったメリーにふふと笑ってしまう。

(でもほんと、リューがこの世界に喚んでくれなかったらこうしてまたメリーやティーアに会うことはなかったんだよなぁ)

 向こうの世界に全く未練はないと言ったら嘘になるけれど、またここに来れて良かったと思う。