「コルネリア……ああ、確かだいぶ前にルセック伯爵家に引き取られたそうよ」
「ルセック伯爵?」
「そう、なんでも子供がいなくて養子として引き取ったみたいだけど」
「ありがとう、ルセック伯爵だな」

 レオンハルトがあまりに熱心に尋ねるものだからクリスティーナは何か勘ぐったように口角をあげて彼に尋ねる。

「なあに? その女の子のことが気になるの? まさか、初恋?!」
「そうじゃない」