考えられる行動の理由は一つしかなかった──

(好き避け……?)

 どうも今までの彼女の傾向からしてそうなのではないかと思う。
 いつもより飲むペースの早い紅茶、そしてよく見るとチラチラとこちらを見ては目を逸らす仕草。
 おそらくこれは……。

 レオンハルトは安心したように一息つくと、一気に彼女との距離を詰める。

「──っ!!!」

 案の定彼女は嫌がる表情ではなく、顔を真っ赤にして恥ずかしそうな顔を見せた。
 そうなれば、もうレオンハルトの独壇場。

「コルネリア、好きだよ」
「──っ!! い、いきなりなにを……!」
「だって、好きだから。それに夫婦で愛を囁き合ってもおかしくないだろう」
「今は昼間です」
「夜ならいいのかい?」
「──っ!!」

 墓穴を掘ったというように耳まで真っ赤にして唇を噛みながら、言い返せないコルネリアを楽しそうに攻めるレオンハルト。
 コルネリアの頬に手を添えてそっと撫でて耳元で囁く。

「そろそろ寝所を一緒にしない?」
「し、しません!」
「え~」