レオンハルト様?!と心配する声が耳から入って来るが、もはや彼の脳には届いていない。
 そしてもう彼は我慢できないといった様子で突っ伏した顔を勢い良く上げると、そのままコルネリアの腰に抱き着いた。

「え? え?!」

 椅子に座っている彼が勢いよく自分に抱き着いたのだから、それはそれは驚いたであろう。
 反動で後ろに倒れるのではないか、というほど強く抱きしめられて混乱する。

「レオンハルトさ……ま?」

 表情の見えない彼に恐る恐る話しかけてみると、レオンハルトはそのまま立ち上がってコルネリアを抱きしめ直した。
 今度は身長差で抱え込むくらいの様子になっているが、彼はぎゅうっと彼女を捕まえて離さない。

「コルネリア不足で死ぬかと思った……」
「え?」

 こんなに甘え気質だっただろうか、なんてふと思ったコルネリアだったが、あまりの彼の可愛さにもはやどうでもよくなってむしろ嬉しくて抱きしめ返してしまう。
 二人はお互いをつかんで離さないといったように愛情を伝え続ける。

「もう、僕はコルネリアがいないとダメなようだ……」