月明かりに照らされてコルネリアの表情がしっかりとレオンハルトの瞳に入り込む。

「好きです、レオンハルト様」
「──っ!!」

 思わぬ反撃を受けて身体が固まってしまうレオンハルトに、コルネリアは追い打ちをかけた。
 そっと子供の彼の唇に、自分の唇を押し当てる。

 少し恥じらうように、それでも自分の好きという感情を一生懸命伝えるように、言葉で、行動で紡ぐ。
 そんな可愛らしい奥様の愛情を、貪欲な彼が見逃すはずはなかった。

 虐げられた少女は恋を知って、そして今度は愛を知っていく──