「──? なんのことかわかりませんが、あのままだとレオンハルト様が寝ないと思ったので、失礼ながらもうベッドに横になっていただきました」

 つまり実力行使で彼を眠らせようとしているのだが、レオンハルトの頭の中は邪な思いがぐるぐるとまわっているため、眠るどころの話ではない。
 とりあえず、妻にその気がないことは十分に理解をしたのだが、それでも近くにいて、しかもベッドで二人でいるという状況になんともいけないことをしている気分になる。

 夫婦なのだから特におかしなことはないのだが、レオンハルトとしてはコルネリアが自分を好きでない以上そういうことはしたくないと思っている。
 コルネリアは眠ろうとしない彼の様子を見て首をかしげている。

「全く……」

 彼女の腕を引き寄せて抱きしめようとしたレオンハルト……だったのだが、少し遅かった。

「あ……」

 引き寄せられたその身体は先ほどまでの逞しい身体ではなく、小さな子供の姿になっていた。
 そうだった、という感じで頭を抱えるレオンハルトとは裏腹に、コルネリアは目をキラキラと輝かせる。