「ああ、月が出ていない時のことを言うんだが、二度ともその新月の夜に子供の姿になっていた」

 それからやはり予想通り、2日経っても5日待っても、そして20日過ぎてもその現象は起こらず、ついに新月の夜を迎えた。
 夕方の日が落ちる前から今度はレオンハルトとミハエルは、レオンハルトの自室で待機してその時を待った。
 すると──

「予想通り子供の姿になったよ」
「では、やはり新月の夜に子供の姿になると……?」
「そうなんだ」
「原因はわかったんですか?」
「それが────」

 原因に心当たりがなく、ミハエルが調査をしたのだそうが、もちろん文献上、そして論文や現在判明している病気でも該当するものはなく。
 一番考えられるのはやはり魔術や呪いの類ではないか、というのが今の二人の結論だった。
 そう言われてみてコルネリアは何かの違和感に気づき、じっとレオンハルトを見つめる。

 突然好きな人に見つめられてドキリとし、顔を赤らめるレオンハルトだったが、コルネリアは意外な言葉を発する。

「何か変な気配を感じます」
「え?」