それを見た彼女は安心したようにサンドウィッチを自らの口に運ぶと、ふんわりしたパンに柔らかいくちどけの卵サラダ、そして新鮮なレタスが口の中で混ざる。

「──っ!」
「美味しいかい?」
「(ふんふん)」

 彼女は口にたまごサンドを含みながら、うんうんとレオンハルトに美味しいという意思を伝えるために何度も頷く。
 たまごが口元についたのをペロリと舐めると、レオンハルトは彼女の色気にドキリとする。
 コルネリアはどちらかといえば童顔といわれる部類で可愛らしい印象を与える顔立ちのため、余計に今回の動作はギャップがあったようで彼はなんとも容易く見惚れてしまった。
 コルネリアの可愛さに隠れた『色気』にやられ、レオンハルトは益々彼女を好きになる。

「君はいつも僕を魅了して離さない。素敵な女性だよ」
「そうでしょうか……自分ではあまりよくわかりません。私は聖女の力も失ってしまいましたし、公爵様のお役に立てるかどうか」
「コルネリア、僕は君に役に立ってほしくて妻にしたんじゃないんだ。ただ傍にいて幸せになってほしい、楽しんで生きてほしい。それだけなんだ」