望さんはどんな思いで私といたのだろう。
私が逆の立場であったなら、きっと、なにがなんでも手に入れようとしていたかもしれない。

それなのに、望さんはずっと待っていてくれたのだ。

『その時』が来るまで、6年間もーーー。


「望さん……そんな、ずっと前から私のことを好きでいてくれて……嬉しいです。 ありがとうございます」

「いや。 俺がちょっと強引にでも水姫が欲しいと言った理由は、完全に俺の一目惚れだよ。 恥ずかしいけれどね、6年越しの片想いが、やっと実ったんだ」


そう言いながら、ぎゅっと私のことを抱きしめてくれる望さん。

そんなにも前から、私のことを一途に想ってくれている人がいたんだ。
きっと私は今、世界一……ううん、宇宙一の幸せ者だ。

どんなに素敵な人がいたとしても、6年間もずっと想い続けることは難しいのに。

桜川医院長も、きっと縁談の話を持ち掛けてきていただろうし、素敵な人との出会いもあったに違いない。

そんな中、1度もブレることなく、私をずっと好きでいてくれた望さんには、頭が上がらないよ……。


「望さん、大好きです。 もう本当に望さんと結婚出来てよかった……」

「俺もそう思っている。 だから絶対に幸せにする」


ゆっくりとお互いの唇が重なり合って、それは徐々に徐々に深くなっていく。

それがいつも以上に心地よくて、望さんのあたたかい腕にくるまれながら眠りに落ちたーーー。