浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】

おばあちゃん？　ここでどうして祖母が関係してくるのか。
ますますわけがわからなくなってきた。


「私の祖母……大牟田病院で、手術をしていますけど…それがなにか関係あるんでしょうか？」

「実はね、そのとき俺は、大牟田病院で研修医として脳外科にいたんだよ」

「えっ！？」


想像もしていなかった話の内容に、思わず大きな声を出してしまった。

確かに大牟田病院で勤務をしていたのは約4年前。
私が退職する少し前に祖母は人工膝関節の手術をしていた。

当時私は脳外科の秘書として勤めていて、整形外科から他科依頼として患者さんを受け入れることもしばしばあり、整形外科との関りがないわけではなかった。

もしかして……そのとき？


「水姫は当時、脳外科の平佐先生の秘書として就いていただろう？　俺が研修医としてお世話になっていたのが平佐先生で、そのときから水姫の存在は知ってた」

「う……嘘でしょう。　ちょっと、待ってください。　なんだか恥ずかしい……」

「どうして？　水姫はまだ医者の卵として勤務している俺のことを気に掛けてくれていたよ。　一度だけ、コーヒーを淹れてくれて。　仕事もきちんとこなしていて、こんなに素敵な秘書が傍にいて、平佐先生がうらやましかったよ」