浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】

話の流れが衝撃的だったけれど、だからこそ忘れるわけがないあの日の出来事。
その日のことが、いったいどう関係しているのだろう……。


「忘れるわけないです。 色々な意味で、衝撃的だったので」

「俺が水姫に言った言葉も?」

「もちろんです。 〝ずっと水姫が好きだった〟って。 ずっと前から好きだと聞いて、嬉しかったです」

「そうか。 ちゃんと覚えていてくれてるんだな。 じゃあ、その〝ずっと〟って、いつからだと思う?」

「……えっ?」


望さんは、なぜが意味ありげな表情を浮かべながら、私を見ている。
言っていることも、望さんの表情もわけがわがらず、頭の中が「?」でいっぱいになってしまう。

〝ずっと〟って……私が望さんの秘書に就いた頃だろうから、3年前?
だってそれまで、望さんとの面識はなかったんだもの。 そのくらいだよね。


「3年前くらいですか?」

「いいや、違う」

「えっ!? でも、私、桜川病院の秘書に就くまで、望さんのこと知りませんでしたよ?」

「うん、水姫はね」


どういうことだろう。 私は望さんを知らなくて、望さんは出会うよりも前に私を知っていたってこと?
だとしたら、いったいどこで……?


「水姫? 水姫のおばあ様は、どこで人工膝関節の手術をしたの?」