浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】

それでも疲れを忘れてしまうくらいの幸せな時間が流れていて、結婚式をして本当によかったと思っている。

〝生きているうちに孫のウェディングドレス姿を見たい〟という祖母の夢も叶えられ、結婚式はみんなが笑顔になれるんだということを知った。

だけど結構騒がしかったからなのか、今の空間がすごく静かに感じる。


「望さんは、疲れました?」

「そうだな……慣れない環境だからな」

「ふふっ、そうですよね。 今日は、ゆっくり休みましょう」


お腹を撫でてくれている望さんの手に、そっと自分の手を重ねた。

左手薬指には、エンゲージリングとマリッジリングが、光に照らされキラキラと輝いている。

望さんの左手薬指にもペアのリングが付けられていて、それだけで嬉しくなる。


「あ、そういえばさ。 子どもの名前、考えてあるの?」


ふと思い出したように、望さんが質問を投げかける。
そういえば……バタバタしていて、そんな話もできていなかったっけ。


「はい。 〝愛加〟にしようかと」

「愛加、か」

「愛という感じに、加えると書いて、〝あいか〟です。 たくさんの人の愛を受けて、育って欲しいという願いを込めて考えました」

「素敵だ。 いい名前だね」


そう言うと、お腹に向かって「愛加」と声をかけてくれる望さん。