浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】

「今、リングをお持ちしますので」


そう言いながら、テーブルに置かれたのはフルーティーな香りのする紅茶。 「いただきます」と言ってカップを口元に近づけただけでも、ふわりと香りが鼻を通り抜けていく。

さすが、高級ジュエリーショップなだけのことはあり、店内のサービスも店内も一味違う。

慣れない空間にキョロキョロと店内を見渡していると、奥から店員さんが小さな白い箱を持って来てくれた。


「桜川様、お待たせしました。 こちらがオーダーしていただいておりましたお品物でございます」


店員さんはそう言いながら、箱をパカっと開く。 見た瞬間、「わぁ……」とため息のような声が漏れた。

中から現れたのは、キラキラと輝くダイヤモンドのリング。
トップはリボン型になっていて、たくさんのダイヤモンドのが散りばめられている。

リボンの結び目だけピンク色に輝いていて、可愛さも兼ね備えているエンゲージリングだった。

エンゲージリングを渡してくれるということだけでも嬉しくて言葉にならないのに、さらに私好みに合わせたリングを選んでくれたという嬉しさは、もう言葉にならないくらいだ。

きっと忙しい合間を見つけて、選んでくれたのだろう。 私を喜ばすために……。


「こちら、真ん中のダイヤモンドはピンクダイヤモンドを使用しております。 現在、非常に希少価値が高いダイヤモンドでございます」