浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】

「まだ辛い?」

「えっ、いえ! ちょっと考え事を……。 身体は、楽になりました」


いけない……。 ぼーっとしちゃってた。 望さんも一緒で、久しぶりの2人の時間なのに。

だけど、最近ちょっとしたことでモヤモヤしてしまう。
これって、マタニティブルー?


「水姫、あのさ。 帰りに寄りたいところがあるんだけど、大丈夫?」

「私は大丈夫ですよ。 なにか買い物ですか?」


そう言った私の質問にはすぐに答えず、ハンドルを握っていない方の右手で顎を擦っている望さん。

なにか様子がおかしい。 望さんがこの仕草をするときは、なにか企んでいる証拠。
最近、そのクセに気付いた。


「いや……実はさ…うーん」

「……?」


珍しくはっきりしない望さん。
仕事でもプライベートでもこんな口ごもっている望さんは見たことなくて、明らかに様子がおかしい。

なかなか話が進まず、ちょっとイライラしてしまう。


「どうかしましたか?」


そのイラつきをぶつけるかのように問いただすと、車を近くのパーキングに停めた望さん。
わけがわからず戸惑っていると、望さんは意を決したかのように私を見つめた。

……今度はなんなのよ。


「……遅くなってしまったけれど、水姫にエンゲージリングを渡したいんだ」