それもそのはずだ。
私の帰りを1番楽しみにしていくれていたのは、麗華なんだもの。

望さんと再会して、これから再スタートすることを喜んでくれたのも麗華。
どんなことも、どんなときも自分のことのように喜んでくれたり、辛いときは一緒に泣いてくれた麗華には感謝しかない。

スピーチの話題になったとき私が真っ先に思い浮かんだのが、彼女だ。


「……麗華、ちょっと落ち着いて。 今日は、頼みたいことがあって来たの」

「え? 何なに? なにかある?」


私のプライベート事情に興味津々の麗華を落ち着かせ、本題に入る。

友人代表としてのスピーチをお願いしたら、どんな顔をして喜んでくれるだろう。


「結婚式で、スピーチをお願いしたいの」

「え? えっ!? 私が?」

「そうだよ。 麗華にお願いしたい」


ぎゅっと麗華の両手を握りながら、私は話を進める。

誰よりも大好きな麗華。 ありがとうの言葉だけじゃ足りないというのは、きっと彼女のためにある言葉だ。
その思いを胸に、今こうして話している。


「えぇ!! 嬉しい!! まさかそんな話だとは思わなかった! ぜひ、やらせてください!」


嬉しさのあまり思い切り私に抱きつきながら言う麗華からは、喜びがめいっぱい伝わってくる。

自分の新たな人生のスタートをこんなに喜んでくれる人がいるというのは、幸せなことだ。