桜川先生が拾ってくださったお金を受け取ると、緊張を紛らわすかのように会計を済まし、売店の外へ出る。
こんなところで再会するなんて、思ってもいなかった……。
「水姫……今日はどうしたの?」
「祖母の付き添いで……桜川先生こそ、どうして大牟田病院へ?」
「今日は、オペの助手で呼ばれたんだ」
そうだったんだ。
私が退職してから麗華が桜川先生の秘書としてスケジュールを管理してくれている。
私に気を遣ってなのか、麗華からは一切その話をしてこなかった。
今年度から、こうして他院に手術のお手伝いとして外勤も加わったんだ。 やっぱり、頼りにされているんだよね。
「水姫……もしかしてだけど…」
「すみません。 祖母を待たせているので失礼しま……」
「待って!」
桜川先生が言おうとしたことはなんとなく想像がつく。
それを話されるのが嫌で、くるりと背を向けその場を離れようとすると、桜川先生は私の右手を掴んだ。
「もう一度、水姫と話がしたい。 午後の手術の前に少し時間があるから、会って欲しい」
まるで、2人だけの世界のよう。
掴まれた右手からはじんわりと桜川先生のあたたかさが伝わり、あの愛し合った日が蘇る。
私だって、話がしたい。 だけど、私が桜川先生の前から姿を消した理由を話せば、きっと自分勝手だと思われてしまうだろう。
こんなところで再会するなんて、思ってもいなかった……。
「水姫……今日はどうしたの?」
「祖母の付き添いで……桜川先生こそ、どうして大牟田病院へ?」
「今日は、オペの助手で呼ばれたんだ」
そうだったんだ。
私が退職してから麗華が桜川先生の秘書としてスケジュールを管理してくれている。
私に気を遣ってなのか、麗華からは一切その話をしてこなかった。
今年度から、こうして他院に手術のお手伝いとして外勤も加わったんだ。 やっぱり、頼りにされているんだよね。
「水姫……もしかしてだけど…」
「すみません。 祖母を待たせているので失礼しま……」
「待って!」
桜川先生が言おうとしたことはなんとなく想像がつく。
それを話されるのが嫌で、くるりと背を向けその場を離れようとすると、桜川先生は私の右手を掴んだ。
「もう一度、水姫と話がしたい。 午後の手術の前に少し時間があるから、会って欲しい」
まるで、2人だけの世界のよう。
掴まれた右手からはじんわりと桜川先生のあたたかさが伝わり、あの愛し合った日が蘇る。
私だって、話がしたい。 だけど、私が桜川先生の前から姿を消した理由を話せば、きっと自分勝手だと思われてしまうだろう。



