浮気されたら、エリート整形外科医に溺愛されました【完】

「それでさ……今日のことなんだけれど」

「……は、はい！」


帰り際に〝今日のことはちゃんと説明する〟と言ってくれていた。

私も、知りたい。
どうして急に、桜川先生との結婚の話になったのか。

もしかして、よくある家庭の事情とかかなぁ……？


「俺、今日言ったことは全部本気なんだ。　ずっと前から、水姫と結婚したいって、そう思っていた」

「……え？」

「急なことで信じてもらえないかもしれないけれど、俺は本気なんだ」


少し落ち着きを取り戻していた心臓が、再びドキドキと大きく鼓動を打ち始める。

食事のとき医院長に伝えていたことは、家庭の事情でもなんでもなくて……桜川先生の素直な気持ちだったのだ。


「で、でも……私…」


つい先日、私は淳史と別れた。
別に、未練があるとか、復縁したいという気持ちがあるわけではない。

なんなら、浮気をするような男なんて別れてよかったと、そう思っているくらいだ。

ただ、こんな私が桜川先生の奥様としてやっていけるのか……正直、不安しかないのだ。


「俺は、絶対に水姫を悲しませるようなことはしない」


ーーーその瞬間、私の唇に生温かいものが触れた。
今日、2度目のキス。

徐々に深くなっていき、甘い吐息が漏れる。