私が聞きたいのはそうじゃないんだけど。なんで爽と一緒にいるのかってこと。
「そうなんですね…」
でも弱い私は何も聞くことができなかった。
「あのっ、大変厚かましいお願いなのですがっ、私これから爽くんに告白しようと思っています」
「…え、」
追い討ちとも取れる小川さんの言葉。
必死なのは十分伝わるその声。
「なので、少しの間、2人きりにしていただけませんかっ?」
「………分かりました。」
「ありがとうございますっ。」
もちろん、やめて、なんて言えるわけもなく呆気なく了承した私は電話を切って途方に暮れた。
…やっぱり小川さんは爽のこと好きだったんだ。
付き合っちゃうの、かな?
そんなことを考えながら人気のないテラスに出てイスに腰をかける。
あ、泣きそう。



