君の全部になりたい【完】





そういうと手を差し伸べて、握ってくれる。


その仕草にさえ、心が躍ってしまうんだから、もう重症。



「あ゛ぁ…ゔ」




部屋を出て、廊下を恐る恐る歩く。




呻き声のする方へ進み、たどり着いたのはうちのペット、ゴールデンレトリバーのランディが寝ている部屋だった。




爽がドアノブに手をかけて、ゆっくり部屋に入る。



目に入るのは、特注で作られたランディ専用のベッドで気持ちよさそうに眠るランディの姿。




「ゔ……っわんっ!」





「え、」



「……ぷっ、あはははっ!!」




犯人はランディだった。



発覚した瞬間、緊張が解けたのか大爆笑する爽。



…なんだ、ランディだったのかぁ。よかった。