君の全部になりたい【完】





思わず、頷きそうになった、その瞬間、




「ゔゔ…ぅゔ…お、お」



廊下の奥から聞こえる呻き声のような音に、思わず2人して静止する。



いつもとは全然違う時間。



怖くなって、たまらなくて、無意識に爽の袖を掴む。



「爽っ、」



爽は耳を澄まして、様子を伺ってるんだと思うけど、怖い。




「美桜様、私が見てきます。」




執事のスイッチが入った爽は、私から離れて、部屋を出て行こうとする。



「待って、私も行くっ」




「でも、危ないですよ。」




「そんなの、1人で部屋で待ってる方が耐えられないよっ」




「分かりました。じゃあ行きましょう。」