晩御飯を食べ、お風呂に入り、ゆっくりデザートを食べた後、


隣で、紅茶の準備をする爽をちらっと見る。




好きって気づいてしまってから、心で認めてしまってから、爽のことを見るたび、心はわざとらしくときめく。




「…爽、今日も帰っちゃうよね?」




爽は私が寝る準備を済ませて部屋に入ったら執事の仕事は終わり、自分の家に帰って身支度を済ませて寝る。



そして朝、私が起きるより早く家に来て、世話をするの。秀夫さんもそうだったけど、執事って本当にすごい。




「はい。それがどうかしましたか?」





「…最近、廊下の奥で変な呻き声が聞こえるの…」




夜中、2時、うぅって廊下の奥から聞こえてくる。



あれが毎日で、怖くて寝れない。



「夜勤の見張りに伝えておきましょうか?」



顔色ひとつ変えず、そう提案される。


…そうじゃない。