君の全部になりたい【完】




「あの子よ。執事メイドコースの転校生。」




ある日の昼休み、廊下を歩いていると聞こえてきた同級生の声。



ちらっと気になって見ると、楽しそうに笑う爽と、その隣にボブヘアーの可愛らしい女の子がいた。




2人とも楽しそう。





「爽さんとも絵になってお似合いだわ。」



セレブコースの同級生がこそこそと本人たちに聞こえないよう話してる。



…私だってそう思った。なんて綺麗な2人なんだって。





深呼吸をして新しい空気を取り入れれば、ありえないくらい重たくなった心。




あまり見たくないかも…




そんな思いも虚しく、



「美桜様。」



あっさり爽に見つかってしまうのがオチ。