君の全部になりたい【完】




「爽がいなくなっちゃったらどうしようって…うう、」



とっても怖かったの。




「っ、ああ、もうなんでそんな可愛いの。」



たまらない、とため息をつかれ、



またすっぽり、腕の中におさまってしまうんだ。



…離れたくない。そう思った。




「爽っ、もういなくならないでっ」




そう言って、ぎゅうっと最大の力で爽の腰に手を回し抱きしめる。




「っ…ずっと側にいる。」




「ほんとっ?」





「俺だけのお嬢様だから。」




意地悪に微笑んで、



チュッとおでこにキスを落とす。




戸惑う私に、余裕そうな爽の顔が目に映る。




…ずるいよっ。