私の部屋も必要のないくらい広く、世界各国から集められ高級な家具で揃えられていて、天井にはシャンデリア。



ベットやカーテンにはレースがふんだんにあしらわれている。



両親は常に海外を飛び回っているため、私の身の回りのことをしてくれるのは専属執事の秀夫さんと、使用人の人たち。



だからみんな家族みたいな存在なの。




特に深山秀夫(みやまひでお)さんは、私が物心つく前からずっと私の専属執事をしてくれている人。




そして秀夫さんが専属執事なのも、今日が最後。



秀夫さんは今年65歳で定年を迎える。




思い返せば、いつ何時も私のそばには秀夫さんがいた。



小さい頃は無茶をさせて、怪我をさせてしまったこともあったし、泣いて困らせてしまったこともあった。




秀夫さんは退職しても、深山家の人間だから私の家の敷地内にいるんから、いつでも会えるんだけどすごく寂しい。



深山家とは寺門家に先祖代々仕えている一家で、私の家の執事やメイドは8割深山家の人間。