君の全部になりたい【完】




透明感のある肌が、赤く傷ついている。



「爽っ、今日は私のせいでごめんなさいっ」



思い出すだけで、涙が頬を伝う。



「美桜様のためですから。」



「……いくらお嬢様のためでも命かけちゃダメだよっ」



もっと自分を大切にして。



爽の代わりなんていないんだから。




すると、切れ長の目が開いて、




椅子に座る爽が私を見上げて、




艶っぽく濡れた瞳で、射抜かれ、





「美桜だからだよ。美桜のためなら、俺はなんだってやる。」




心を鷲掴みにして離さない。



…こんな感情知らないっ。



「美桜、泣かないでこっち向け。」



たまらなくなって逸らした視線だって、また強引に見つめられるんだ、、



子供をあやすように、私の涙を拭う爽。



触れられるたび熱くなる。